ジョージは、ニューサウスウェールズ州の緑豊かなノーザン・リバーズで、キアラピュアフーズのために大豆と小麦を栽培しています。
この地域の農家に生まれ育ちましたが、自分のビジネスを立ち上げるためにいったん離郷。その後戻ってきて農業を始め、15年以上になります。
生家の近くに120ヘクタールの土地を購入し、有機栽培を始めました。
大豆は水分を多く必要とする植物であるため、水持ちのよい土壌や降雨量の多い地域で栽培する必要があります。一方で、土壌に窒素を固定する働きがあることから、二毛作を行なうことが可能な作物でもあります。ジョージの場合は、冬小麦を植えています。
大豆の代わりに陸稲(玄米)を植える年もあります。収穫までほぼずっと水の中で育つ水稲とは異なる品種です(私たちが「米作り」と聞いて思い浮かべる伝統的なイメージは水をたたえた水田でしょう)。
しかし、前回玄米を育てたときに発生した雑草の問題は解決に3年を要しました。従来の農法であれば、除草剤を散布すれば済む話だったでしょう。
残念ながら、有機栽培の陸稲と、小麦のような乾燥した冬の有機作物の共存は次第に難しくなっています。農家としては、どちらの作物がビジネスとして最適なのかを判断しなければなりません。このような決断は、他のビジネスと同様、農業生活の一部です。